現代に豊富に流通し、80年代になかったもののひとつにペットボトル飲料がある。
当時は水分にたいしては今とは違いあまり寛容的ではなかった。
中学高校の運動部などは水を補給しないのが美学でさえあった。
それでも夏の灼熱の中で現代の若者よりは皆ぶったおれにくかったように思う。
ただ当時の暑さの違うところは蒸発しそうな暑さであっても紫外線量の違いか、今のような刺すような暑さではなかった。
撮影地では水分なしで終了してから補給、のスタイルだった。
撮影地で水筒をもっていた記憶がないので、そうだったと思う。
そう、ペットボトルなんて持ち運びや飲み直しができる気のきいたものもなかったのだ。
四国の夏の暑さは半端なく、撮影後の自販機の冷えたファンタや三ツ矢サイダーが何より楽しみだった。いつだったか撮影後、
山間部でオレンジジュースを自販機で買うと、出てきたのはアッツあつのホットオレンジ、しかも炭酸。炭酸なのでおそらくファンタオレンジ。(昭和当時のオジュー<死語ですよね>はバヤリス、キリンオレンジエード、プラッシー、ファンタオレンジの4択)
ふざけるなという思いとともにありえないほどスチール缶が熱かったことははっきり覚えている。
その後どのような行動をとったかは思い出せないが飲める状態ではなかったはず。
当時のマットな塗装の自販機で現在のように個別温度管理はまあなかったと思うので、
その自販機でさらに冷たいのを期待して別の一本を買うという無謀なことはしていないとは思う。
真夏だったので「温かい」という表示もなかったはず。
はっきりと覚えているのはそのあたりにはこの自販機しかないという山間部だったということだ。
(おそらく、新改駅左前にあった販売機だったように思う。)
ジュース一本の値段が100円玉入れて10円玉のおつりが出てきた時代の話である。
お釣が出てこずに、自販機をどついた経験は何度かあるが、
後にも先にも、真夏に「冷たい」オレンジジュースを選んで
「温かい」ホットオレンジがでてきたことは、
ない。