DF50貨物列車 魔の16時12分

撮影地紹介



とある撮影地の写真を仲間から見せてもらったときは衝撃的であった。
吉野川、穴内川沿いに鉄道、国道がうねっている三縄以南の土讃線は常にド電線ド電柱に悩まされる。
がこの撮影地は全くかぶっておらずしかも吉野川を画面いっぱいにとらえられる絶好の俯瞰地。
場所を後日写真付き手紙(80年代ならでは)で教えてもらい何度となく通う事となった。
仲間内ではシークレットに位置づけられた撮影地のひとつであった。
この30数年この撮影地での写真は仲間以外ではまだ見たことがない。

ここを知ったときは土讃線の客レはトオ(DE10)に置き換えられており、
順光で押さえられるのは午後の下り貨物283レのみで1日にチャンスは1回だけであった。
その1日でたった1回きりの撮影チャンスを不幸な形で何度も外すこととなる。

DF50貨物が土佐岩原-豊永を通過する魔の16時12分。
この時刻寸前になるとどんなにピーカンであっても、どこからともなく雲が現れ、
列車が差しかかると太陽の陰りが画面を真二つにすることが連続。
そして列車通過後はド順光の素晴らしい景色に戻り、本当にうらめしかった。

もちろん当時は車はなく全て土佐岩原駅から重い銀箱と三脚を背負って1時間弱の自力の歩きのみ。
次回のリベンジを誓いつつ、とぼとぼと林道を降りていったものだ。


当時は浪人の身分であり、気軽に行ける距離でもなく、偶然とはいえあまりにも残酷であった。
このリベンジはDF50最後の最後、283レDF50貨物最終日で果たすこととなる。(一番目の写真です!)

誰でも体にしみついた時刻があろうかと思う。
私の場合この16時12分が1日の1つの区切りとなっており、腕時計の指すこの時刻を横目に、時折今でも苦笑している。

25年後の2008年の撮影地の様子。川面はもとより線路まったく見えません!10年単位の植物の成長は凄まじいです。ここはちょうど 瀬 になっているので、撮影当時には考えられなかったラフティングの歓声が響いていました。いつの日かまた伐採植林されたあとの、この素晴らしい箱庭風景を見てみたいけれども、その頃はもうこの世にはいないかもしれない。

 

タイトルとURLをコピーしました